センチメンタルな日々〜フロウの日記を見て〜

そう、あれは僕がまだ女の子との接点があった僕のこれまでの生涯で一番輝いていた時期、小学生の頃だった。
ここで小学校の頃、クラスで一番愛し合っていたカップルを紹介しよう。ヒロシとマナミだ。
彼らは小学生の恋愛レベルを超えていた。いや、その小学生レベルという一線を僕らは超えさせてしまった。
今日はその恋のキューピット事件を伝えようと思う。
 
これには2つのエピソードがある
初めに禁断の修学旅行から語るとしよう
 
ヒロシは顔を赤らめながら
「い、、いや、違う違うって、、」
が口癖の挙動不審な心の優しい少年だった。少しズレていたがそのズレがまた心地よかった。
「え、河村龍一の曲ってForeverだっけHoweverだっけ、、」
そんな問いに一日中悩んでいた君を僕は今でも覚えている。
 
修学旅行のその日。恒例の誰が好きかトークをセブンブリッジで賭けをしながら始めた。
 
つっくん「なぁヒロシ。誰が好きなんだよ」
ヒロシ「え〜、、そんなの恥ずかしくて言えるわけないじゃん、、」
アカシ「良いから言えよ!おまえ勇気ねえなぁ!」
俺「おまえが言ったら俺達全員ちゃんというからさぁ!」
ヒロシ「え〜、、やだよ、やっぱはずいじゃん」
ミナミ「わかってるよ俺。マナミだろ??」
アカシ「まなみかよー。マナミなのか??」
 
ヒロシ「え、、う、、うん。。。」
 
つっくん&俺「ヒロシはマナミがスキだってよーーーーー!!」
ヒロシ「や、やめてよ大声で隣に聞こえたらどうすんの、、」
ヒロシ「ほら、、言ったんだからおまえらも言ってよ、、」
 
一同「いねぇよ」
 
そしてヒロシの燃えるような恋が始まった。
まずその修学旅行の後半の夜、僕らはマナミの部屋の女子を使い
マナミが誰が好きかを調べさせたのは言うまでも無い。
その結果、なんとヒロシは両思いだったのだ。
 
しかし、修学旅行はその日で終わりだった。
僕らは次の手立てを考えた。「学校のどっかに二人で閉じ込めようぜ」誰かがそういった。
小学生とは無意識にすごいことをしてることが多々ある。
僕らが選んだ場所は体育倉庫だった。
遊びの時間というものが放課後、僕らの学校にはあった。
その時間でボールなど体育倉庫にあるものは好きに使ってよかった。
そして、作戦決行の火蓋が落とされた。
 
冬も近づき寒い日だったのを覚えている。
僕らは女子を交えサッカーをしていた。
寒いというのに半そでになり、汗だくになりながらひとつのボールを追いかけていた。
 
つっくん「人数多くね?ヒロシ、もう一個ボール持ってきて」
ヒロシ「えぇ、なんで俺が」
アカシ「じゃあグーパーで決めようぜ」
ミナミ「それだけじゃつまらないから女子と一緒に取りいかせようぜ!」
 
 
グーパーじゃすっ
 
ヒロシ:グー、他一同:パー
 
僕らの連携は見事だった。そして女子の間にも似たようなことが起こっていたのは言うまでもない。
 
二人がそろって体育倉庫に入らなければだめという小学生には少し刺激の強いイベントが始まり、僕とレイ君は体育倉庫の裏にスタンバっていた。
 
ガラガラガラ
「・・えーっと、ボールは・・・」
 
ガラガラガラピシャっ!!!
「閉めた!!」
鬼を取ったようにはしゃぐ僕ら。ヒロシとマナミは最初何が起こったかわからないようでしばし沈黙が続いた。
 
ヒロシ「え、、、ちょっと!!ちょっと!!!」
マナミ「ちょっと、出してよ!」
 
僕らが外に出すわけがなかった。
二人は長い時間体育倉庫に閉じ込められた。
最初は抵抗してたものの、いずれ静かになり中では長い沈黙が流れ、僕らは体育倉庫の前で休憩しながら中の展開をおもしろおかしく話していた
 
「ぜってーキスしてるよキス」
「手握ってるぐらいじゃない!」
「すごい進展してることは間違いないよ!!」
 
テンションはもううなぎ上りだった。
そして「そろそろ開けていいんじゃね?」と言う声もあがったので開けることにした。
 
ガラガラガラ
 
そこにはマットにくるまれ肩を寄せ合う愛に満ちた二人の姿があった。
しばし、僕らはこの状況に絶句した。
小学生では肩を寄せ合う男女というものをドラマでしか見たことがなかったからだ。
 
  「やべえ!おまえらやべえよ!!」
ヒロシ「い、いや、、寒いし、寒いっていうから、、」
  「だからって体で温めることないだろ!!!」
 
ここで一言いわせてもらいたい。別に服を脱いでいたわけではない。
普通のラブストーリーにあるような愛を感じるシーンだったのだ。
それでも僕らには十分だった。
大人の世界を垣間見た瞬間だった。
 
そして二人はその後学校の人目のつかない場所で手握ってたりキスしてたりするというウワサにもまれ
恥ずかしがりやのヒロシ君の
 
「ば、、ばっか好きじゃねえよ!!」
 
と強情につっぱっていた姿が非常に愉快だったのを覚えている。
そして彼のあだ名はプレイボーイとなった。
 

〜fin〜