追記

明日は東工大の試験。
勉強の合間に、沈む夕日により染まった赤い空をぼーっと眺めていたら
僕の心もセピア色に染まっていった
ここで僕の思い出すと少し頬を赤らめたくなる話をしよう。
小学一年の頃、僕は東京から静岡の沼津に転校することになった。
僕はそういう大掛かりな引越しは初めてだったので胸ときめいていた。
そして学校の最後の授業ではクラスの人たちから寄せ書きのようなものを貰い、僕の最後の別れの言葉をつづったプリントが配られた
僕は「みなさんおげんきで」と小学一年生にしては少し気取った文章を思いつき書いた。いや、書いたつもりだった。
 
自分にも配られてきたプリントを見て僕は驚愕した。
「みなさんおぎんきで」
クラス中からクスクスという笑いが怒りやがてそれは爆笑へと変わった。
そのクラスの先生は僕を励まし、僕はその先生の優しさとあまりの恥ずかしさから泣き崩れた。
 
そしてそれをもう忘れていた高校3年のある夜のことである。
 
母親「お兄ちゃんは昔お別れの時「みなさんおぎんきで」って間違って書いちゃったのよ」
妹「へぇー」
 
と、語り継いでいたのである。その日から妹の目は明らかに僕を前より見下すものとなった。
人生些細な失敗が後々まで尾をひくものだとこの時痛感させてもらった。
しかしまぁ、今ではもう良い笑いの種である。
人生その時辛くても後々になれば笑えるものだ、と思った。
 
そして明日は試験。
 
散ってきます